当院で対応が困難な方について

大変申し訳ございませんが、初診予約のお電話をいただいた際、病状やお飲みになっているお薬などによっては当院での治療が困難なため、診療をお断りさせて頂く事もございます。
何卒、ご了承ください。

下記がその一例になります。

  • 18歳以下(高校生以下)の患者様
  • 近々に繰り返す自傷行為や自殺企図などがあり、救急対応が必要な方
  • 発達障害・知的障害の診断のための検査や専門治療をご希望の方
  • アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症治療をご希望の方
  • 体重が著しく低下している摂食障害など、緊急の身体治療を必要とする方
  • ナルコレプシー・ADHDなどの診断でリタリン・コンサータ・ビバンセの処方を希望される方
  • 引きこもり状態など、ご本人の意思で通院が出来ない方
  • 当院の診療方針に同意して頂けない方
  • その他、医師が診療困難と判断した方            など

 

対象疾患について

気分障害圏(うつ病、躁うつ病、気分変調症など)

うつ病

気分が落ち込む、やる気が出ない、朝仕事に行くのがつらい、体がだるい、眠れない、食欲がない、集中力が落ちている、といった抑うつ症状が2週間以上に渡り持続します。頭痛・身体の痛み・動悸・めまいなどの身体症状が中心の仮面うつ病、物忘れが中心の高齢者に多いうつ病(仮性認知症)、過食・過眠・強い倦怠感などの症状が見られる非定型うつ病など特殊なタイプのうつ病もあります。

躁うつ病

双極性感情障害とも呼ばれます。爽快な気分、イライラ、怒りっぽさ、睡眠時間の減少、浪費、過食など気分が高揚する躁病相と、うつ病相が交代で出現します。初めうつ病と診断されていたのに、後から躁病相があることに気づかれ躁うつ病と診断されることも少なくありません。最近では、入院となるような明らかな躁状態を認めず、軽度の躁状態(軽躁状態)とうつ状態を繰り返す2型双極性障害と呼ばれる病態が注目を集め、診断される患者さんが増加する傾向にあります。

気分変調症

うつ病エピソードの診断基準を満たさないような比較的軽度のうつ状態が長く持続する病態です。

不安障害圏(パニック障害・社交不安障害・全般性不安障害・恐怖症など)

これらの疾患では、不安のコントロールがうまく出来ないために症状が出現します。不安・緊張が何らかの原因で過剰に高まると自律神経のうち交感神経が過度に緊張し、動悸・呼吸苦・めまいなどのパニック症状と呼ばれるものが出現します。
特定の恐怖症(閉所恐怖症、先端恐怖症など)は特定の状況で症状が起こる場合、社交不安障害は人前での食事や会話、発表などで症状が起こる場合、パニック障害は特に決まった状況の特定がなく症状を生じる場合を言います。
全般性不安障害は、明らかなパニック症状は出現せず、漠然とした不安症状が持続的に続く疾患です。

強迫性障害

強迫的な思考が自ずと頭の中に浮かび、それが馬鹿らしいものと理解していても自分では否定することが出来ず、それを打ち消すための行動(強迫行為)を取ってしまうという疾患です。
例えば、代表的な例として、外出後に玄関の鍵を閉めたかどうか不安になると、何度も家に帰って確認をして外出が滞ってしまったり、不潔に対する恐怖心があると何度も手を洗ったりします。

適応障害

人間は環境に対して適応する力を持ち合わせていますが、環境と個人の相性が悪かったり、あまりにもストレスの強い環境にさらされると、ストレスの限界を超えて精神的・身体的不調を呈することがあります。これを適応障害と呼びます。適応障害の場合、症状は抑うつ症状や不安症状など他の疾患と似た症状を呈しますが、基本的に原因となっている環境に改善が見られると、症状が消失するものと考えられています。
ただ、当初適応障害と考えられ治療されていたものが、状態が悪化するうちにうつ病など他の疾患へと発展する可能性もあります。

身体表現性障害

身体的な診察や検査所見では異常がないのに、精神的ストレスにより身体的な症状が持続する病態です。通常、本人は精神的ストレスを自覚することがなく、身体的な検査を繰り返し訴え、様々な医療機関を転々と受診することがあります。症状は動悸などの循環器系に関するもの(心臓神経症)、下痢や便秘などの消化器系に関するもの(過敏性腸症候群)など多彩です。

統合失調症圏(統合失調症、妄想性障害、急性一過性精神病性障害、統合失調感情障害、非定型精神病)

統合失調症

陽性症状(幻覚、妄想、興奮状態になる、考えを抜き取られるような感覚になる、体が勝手に動く、独り言を言う、突然笑う)、陰性症状(引きこもり状態となり外出しなくなる、意欲が低下する、感情が乏しくなる)、緊張病症状(突然体が動かなくなる、意識を消失する)など多彩な症状が出現します。
様々なタイプがありますが、10代から50代まで広く発症する可能性があります。発症の確率は全人口の1/100と言われており、決して珍しくない疾患です。急性期においては、激しい症状の為入院を必要とすることも多いのですが、最近では退院後、慢性期の在宅における治療の重要性が注目されるようになりました。
適切な薬物療法はもちろん基本ですが、認知機能障害と呼ばれる症状(物忘れ、集中力が続かない、注意が散漫になる、言葉が出てこないなど)が注目されており、その改善のためには社会復帰に向けたリハビリテーションや支援体制が重要となります。

妄想性障害

単一もしくは一連の関連した妄想が長期にわたって持続する疾患です。統合失調症との区別が問題となることがしばしばありますが、妄想以外に統合失調症に特徴的な症状を欠くものとされています。

急性一過性精神病性障害

精神的に強いストレスがかかった後に、一過性に統合失調症のような精神症状を呈する疾患です。症状はあくまで一過性であり、一定期間を経過すると改善する疾患とされています。

統合失調感情障害

統合失調症の症状と気分障害の症状が同時に出現する疾患です。躁症状+統合失調症症状、うつ症状+統合失調症症状といった病態になります。

非定型精神病

最近の診断基準には載っておりませんが、古典的に存在するとされた疾患です。急性に発症し、周期性の経過をとり、幻覚や妄想など統合失調症のような症状を呈しますが、人格の障害を残さない場合が多く、予後が良好で、比較的短期間で寛解状態に至るのが特徴とされています。躁うつ病の症状が混じることもあり、症状は多彩です。

摂食障害

思春期の女性に多い疾患で、食事を拒否する神経性無食欲症、過食嘔吐を繰り返す神経性大食症に大きく分類されます。
どちらも体重増加に対する恐怖心、ボディーイメージのゆがみを基盤とします。
無食欲症の方は食事の拒否からの体重減少・過度の運動・自己誘発性嘔吐・下剤や利尿薬の乱用・月経異常といった特徴的な症状が見られ、抑うつ、強迫症状などを合併することもまれではありません。神経性大食症は無食欲症より発症年齢がやや高い傾向にあり、摂食への渇望から過食、体重コントロールの為の嘔吐が見られます。

睡眠障害(不眠症)

睡眠障害には様々な原因があるため、安易に睡眠薬を投与する前に原因を追究するのが重要です。

身体疾患による不眠

身体疾患による痛みや痒みなどが原因の場合には、それを取り除くことが一番の睡眠の改善につながります。

内服薬による不眠

薬の中には、副作用として不眠を引き起こすものがあります。処方薬の他、売薬やサプリメントでも原因のものがあるため、注意が必要です。

精神疾患による不眠

うつ病、不安障害、統合失調症などほとんどの精神疾患は不眠を呈することがあります。基礎に精神疾患がある場合、原疾患の治療自体を行うことによって、不眠が改善されることがあります。そのため、睡眠薬の投与も重要ですが、疾患治療が何よりも重要になります。

誤った睡眠衛生による不眠

遅い時間のカフェイン摂取、遅い時間の熱い温度での入浴、就寝前のPCやスマートフォンの使用、遅い時間の食事、就寝中にTVなどをつけっぱなしにする、といった行動は不眠を悪化させる原因になります。また、睡眠覚醒のリズムは光によってなされるため、就寝中は部屋を十分暗くする必要があります。そのため、朝方明るくならないように遮光カーテンを用いたり、夕方には照明を暗くするなどの工夫も有効です。こういった睡眠衛生を整えることで、不眠が改善することもあります。

睡眠・覚醒スケジュール障害

夜勤などにより睡眠時間が一定しない場合や、海外渡航が多い場合などには、睡眠と覚醒のリズムが崩れてしまうことがあり、昼夜が逆転する事もあります。看護師やキャビンアテンダントなどの職業に多く見られます。睡眠と覚醒のリズムを調整する工夫や、内服薬で治療します。

むずむず足症候群

寝ようとすると下半身がむずむずするような感覚に陥り、十分な睡眠が取れなくなる疾患です。パーキンソン病の初期症状であることもあり、注意が必要です。原因がわからないことも多いのですが、腎不全や貧血といった身体疾患、一部の内服薬などが原因となることもあり、そういった場合には原因の除去が有効になります。

非器質性不眠症

上記のような原因が見当たらないとき、非器質性不眠症と診断されます。この場合には、睡眠薬の内服が積極的な適応となります。(逆に、これ以外の場合には睡眠薬の投与が適切なのか、常に検討する必要があると言えます)

その他の睡眠障害

睡眠時無呼吸症候群

入眠中に大きないびきをかき、呼吸停止を呈する疾患です。肥満などによる気道の狭窄が主な原因です。この疾患が合併していると、中途覚醒、熟眠感の欠如、日中の眠気や頭痛といった症状が出現します。診断は睡眠専門のクリニックや呼吸器内科・耳鼻科などで睡眠時ポリソムノグラフィという検査を行い、重症度を判断します。重症度に応じてマウスピースやCPAPと呼ばれる人工呼吸器での治療を行います。この疾患を見逃して睡眠薬を投与すると、舌根(舌の根本)が気道に落ちてむしろ状態が悪化するため、見逃さないように気を付けなければいけません。

非器質性過眠症

昼間の過剰な睡眠、朝の覚醒不良、睡眠不足によらない睡眠発作などの症状を呈し、明らかな原因が見つからないものを言います。ナルコレプシーに特徴的な入眠時の幻覚、情動脱力発作、睡眠麻痺などの症状がなく、前述の睡眠時無呼吸症候群も否定される必要があります。

レム睡眠行動異常

睡眠中に突然大声を上げたり、暴れたりする疾患で、本人や家族が怪我をすることもあります。レム睡眠と呼ばれる浅い睡眠の状態(身体が眠っているにも関わらず、脳が覚醒している睡眠)に症状が生じます。レム睡眠中には、脳が覚醒しているため夢を見る事が多いのですが、体が弛緩しているため、こういった症状は生じないのが通常です。しかし、この疾患の方は、レム睡眠中に体が動いてしまうため、大声を出したり暴れたりといった行動になってしまいます。通常、周りの方が起こすと意識を取り戻し、自分の行った行動は覚えていません。50歳以上の比較的高齢男性に多く、その後パーキンソン病やレビー小体型認知症といった病気を合併することがあるため、注意が必要です。

広汎性発達障害

注意欠陥多動性障害(ADHD

幼少期からの多動性(落ち着かず走り回る、過度に喋り騒ぐなど)、不注意症状(気が散って課題に集中できない、忘れ物が多いなど)を主とする疾患です。しかし、昨今では幼少期ではなく、成人期になってようやくADHDと診断されるケースが多く見られます。成人ADHDに対して使用できる薬も増えてきており、治療によって社会適応の向上が見られることもあります。

自閉症スペクトラム障害(自閉症・アスペルガー症候群を含む)

自閉症では、3歳くらいまでの間に「社会性と対人関係の障害」「コミュニケーションや言葉の発達の遅れ」「行動や興味の偏り」の3つの特徴が現れると言われています。しばしば、反復的・常同的な行動を行い、物事に対する強いこだわりを伴います。また、不安感・睡眠や食欲の障害・攻撃性・自傷行為などの精神症状を伴うこともあります。自閉症には知的障害を合併することがまれではありません。
これに対して、アスペルガー症候群は高機能自閉症とも呼ばれ、自閉症と同様に、行動や興味の偏り、社会性や対人関係の障害などが存在します。しかし、言語発達には問題がなく、コミュニケーションの障害は非言語的なものに限られており、知的な問題もないとされています。成人になってから勤務先での不適応などをきっかけに診断されるケースも多くあります。
最近では、自閉症、アスペルガー症候群と分けずに、1つの連続した疾患としてとらえる動きが広まっています。

成人の知的障害

知能検査にてIQ(知能指数)70未満と診断された方です。IQの値により、軽度、中等度、重度、最重度と分類され、症状も重くなっていく傾向にあります。IQを直接向上させる治療は困難であり、対症療法が中心となります。知的障害を抱える方は、ストレスに対して脆弱な傾向があり、些細な刺激で抑うつ症状、気分変動、衝動性などを呈します。精神科では、本人とご家族の生活の質(QOL)が向上する様に薬物療法などにより症状を和らげる治療を行います。

認知症圏(認知症・軽度認知機能障害)

認知症とは、記憶障害などの症状を特徴とする脳疾患による症候群です。短期の記憶障害、見当識障害(日付や時間がわからなくなる)、理解力の低下、計算能力の低下、言語能力の低下、判断力の低下などの症状が出現し、症状は進行性です。こういった認知症の症状を中核症状と呼びます。
こういった症状に加えて、進行すると意欲の低下、引きこもり、抑うつ、食欲低下、不眠、易怒性(怒りっぽくなる)、徘徊、幻覚・妄想といった精神症状を伴うようになります。これを周辺症状と呼びます。
認知症は脳疾患の一種であり内科でも診療されますが、進行した認知症では周辺症状が強く出る場合があり、介護が困難になるケースが存在します。こういった場合には、精神科の適切な介入により、症状をコントロールする事で、ご本人の苦痛の緩和、危険な行動の回避、家族の介護負担の軽減に繋げることが出来ます。

軽度認知機能障害(MCI)

記憶障害の訴えが本人もしくは家族からあるにも関わらず、日常生活には異常がなく、全般的な認知機能は正常な状態でまだ認知症との診断は出来ない状態を指します。認知症の前段階と考えられています。この時期に適切な治療、早期介入をした場合、認知症の発症を予防したり遅延させたりすることが出来ると言われています。逆に、この状態で放置した場合には、以下に挙げる認知症へと発展していくため、認知機能障害は早めの診断、治療が重要と言えます。
当院では自費でMCIを早期診断するための血液検査も行っております。詳しくは、認知症早期診断について のページをご覧ください。

アルツハイマー型認知症

最も数の多い認知症のタイプです。女性に多いと言われています。脳内で記憶を司る海馬と呼ばれる部位を中心に、側頭・頭頂葉の皮質に神経細胞の変性が生じ、萎縮が見られるようになります。頭部MRIなどの画像診断を用いて評価することが重要です。最近では、MRIを撮影する際に、VSRADと言うコンピューターを用いた解析を行い、肉眼ではわからないような軽度の萎縮も発見できるようになっています。
治療は、抗認知症薬と呼ばれる薬が中心になります。出来るだけ早期の段階から始め、内服後も定期的に状態をチェックして内服量を調整し、進行を防いでいくことが何よりも重要です。勿論、介護サービスなどを利用してデイサービスを導入するなど、リハビリテーションを行うことも薬物療法と同様に重要となります。

脳血管性認知症

急性の脳血管性障害(脳出血、脳梗塞など)の後に後遺症として生じる他、高血圧や動脈硬化などが原因となり小さな脳梗塞が多発する事でも生じる血管障害による認知症です。
アルツハイマー型認知症と比較して、①知的な問題や神経学的な異常(しびれ、麻痺、歩行障害など)を伴いやすい、②男性に多い、③洞察力や判断力が保たれるなど症状にむらがある(まだら認知症)、④症状が階段状に急激に悪くなることがある、⑤情緒や気分の変動を伴いやすい、といった特徴があります。
診断はやはり頭部の画像検査(CT,MRI)が重要になります。治療は、脳血流を改善する薬、脳梗塞を予防する抗血栓薬の他、高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある場合にはその治療薬が重要となります。

混合型認知症

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症、どちらの要素も存在する場合に付けられる診断名です。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、認知症の20%を占めると呼ばれており、神経細胞にレビー小体という特殊なたんぱく質が増加することが原因とされています。
幻視(虫や人間などが見える)、パーキンソン症状(小刻み歩行、手のふるえ、動作が遅くなる、体が硬くなるなど)、認知機能障害が三徴とされており、この全てがそろわない場合もあります。抑うつ症状、レム睡眠行動障害などを合併することもあります。
診断は、頭部MRIの他、SPECT(脳血流シンチグラフィー)、心筋MIBGシンチグラフィーなどの検査と、臨床症状をあわせて行います。
少量の抗認知症薬に加え、漢方薬である抑肝散や症状に対応する治療(幻視には向精神病薬、パーキンソン症状には抗パーキンソン病薬)が行われます。

前頭側頭葉型認知症(Pick病)

性格変化、社会機能低下が特徴的な認知症で、アルツハイマー型認知症よりも発症年齢が早い(40-60歳)傾向があります。頭部MRIにて前頭葉か側頭葉の萎縮が顕著に見られます。記憶力の低下を主症状とするアルツハイマー型認知症に対し、怒りっぽくなるなどの性格変化や、同じことを繰り返すなどの日常生活での行動異常が特徴で、次第に記憶障害や言葉が出ないなどの神経症状が現れます。治療薬があまり存在せず、対症療法が中心になります。

その他の認知症

正常圧水頭症と呼ばれる脳の病気や、身体疾患が原因の認知症(甲状腺機能低下症、高カルシウム血症、ビタミンB12欠乏症、ニコチン酸欠乏症など)が存在します。認知症を診断する上では、こういった外的な要因がないかどうかを調べておくことが重要です。
また、うつ病などの精神疾患で判断力、注意力が低下すると一見認知症に見えることがあります(仮面認知症)。こういった場合には、治療は抗認知症薬ではなく、原疾患の治療で認知機能が改善します。診断する上では、こういった疾患の可能性を探ることも必要です。
また、後述するせん妄と呼ばれる疾患でも一見認知症が進行したように見えることがあります。

器質性精神障害

脳疾患(脳炎、てんかん、頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍など)、その他身体疾患(膠原病、内分泌疾患、代謝疾患、悪性腫瘍など)、向精神薬以外の薬物(ドーパミン製剤、ステロイド、降圧薬など)による精神障害を指します。有名なものとして、全身性エリテマトーデス(SLE)による気分障害、甲状腺機能異常による気分障害、頭部外傷後の幻覚妄想状態、ステロイド精神病などがあります。
統合失調症のような症状、気分障害のような症状、不安障害のような症状など症状は多彩です。
治療は、対症的に向精神薬が使われることもありますが、何よりも原疾患の治療や原因薬剤の除去が必要です。

せん妄

身体疾患や薬の影響、環境の変化などによって意識障害が起こり、混乱した状態となる疾患です。見当識障害(時間や場所がわからなくなる)、意識状態が1日の中で変動する、幻覚妄想が出現する、興奮するといった精神症状が出現します。典型的には、高齢者が大きな手術をした後などになりやすく、暴れたりすることもあって、治療や看護にも大きな影響を及ぼします。原因が取り除かれれば、症状は一過性であり、改善に向かうのが通常です。
また、低活動性せん妄と言って、興奮などがなく、抑うつ・不安といった症状になる場合もあります。こういった場合は認知症やうつ病との区別がつきづらくなります。